「実家に立派な五月人形があるけど、これって息子に使ってもいいの?」
「兄の五月人形があるけど、弟に受け継いでも問題ない?」
こんな疑問を持っている方、多いのではないでしょうか?
五月人形は「一人ひとりの身代わり」として厄を引き受けるもの、と言われています。
そのため、昔から「お下がりはNG」という考え方が根付いていました。
でも、最近では「そんなに気にしなくてもいいのでは?」という意見も増えています。
経済的な理由や、家族の思い出を大切にしたいという気持ちから、お下がりの五月人形を使う家庭も増えているんです。
では、実際のところ 「五月人形のお下がりは本当にダメなのか?」
昔と今の考え方の違いや、お下がりを使う場合のポイントを詳しく見ていきましょう!
五月人形のお下がりはなぜNGと言われるのか?

五月人形は「子どもの厄を引き受け、健やかな成長を願うもの」とされています。
そのため、昔から「一人につき一つが基本」とされ、お下がりを避ける風習がありました。
では、具体的にどのような理由があるのでしょうか。
五月人形の意味と役割
五月人形には、鎧や兜を飾ることで「子どもを災いから守る」という意味があります。
特に、武将の兜や鎧には「身を守る」象徴的な意味が込められています。
そのため、五月人形は単なる飾りではなく、「子ども個人のお守り」としての役割を果たします。
「一人に一つ」が基本の考え方
昔の考え方では、五月人形はその子ども専用のものとされていました。
兄の厄を引き受けた人形を弟に受け継ぐと、兄の厄まで引き継いでしまうと考えられていたためです。
また、地域や家庭によっては「お下がりでは、子どもの厄をしっかり引き受けられない」と言われることもありました。
こうした理由から、新たに生まれた子どもには、その子のための五月人形を用意するのが理想とされてきました。
昔の風習における理由
昔は「厄除け」の意味が特に重視されていたため、家族内であってもお下がりを避ける傾向がありました。
特に、病気や事故が多かった時代には、子ども一人ひとりに新しい五月人形を用意することで「無事に成長してほしい」という願いを込めていたのです。
現代ではどう考えられている?お下がりを使う家庭も増えている?
近年では、五月人形のお下がりに対する考え方が変わりつつあります。
伝統的には「一人に一つ」が基本とされてきましたが、現代では経済的な理由や環境への配慮、家族の思い出を大切にしたいという考えから、お下がりを活用する家庭も増えています。
お下がりを受け継ぐケースの増加
現在では、兄弟や親戚から譲り受けた五月人形を使う家庭が増えています。
その理由の一つに、「物を大切にする意識の変化」があります。
昔と比べて住宅事情が変わり、大きな五月人形を新たに購入するのが難しい場合もあります。
また、五月人形は高価なものが多く、一度しか使わないのはもったいないと考える人も増えています。
そのため、状態が良いものであれば、お下がりを活用しようという考え方が広まっています。
実際に使っている人の声
実際にお下がりの五月人形を使用している家庭では、以下のような意見が多く見られます。
- 「父が使っていた五月人形を息子にも受け継げて、家族の歴史を感じることができた」
- 「兄の五月人形をそのまま弟に使っているが、特に問題なく毎年飾っている」
- 「新品にこだわる必要はないと思い、お下がりを大切にしている」
一方で、「やはり気になるので、新しいものを購入した」という家庭もあり、考え方はそれぞれです。
家族の絆を大切にする考え方
五月人形をお下がりで使うことを「家族のつながり」として前向きに捉える人も増えています。
特に、祖父母や親が大切にしてきた人形を次世代へ受け継ぐことは、単なる伝統の継承ではなく、家族の思い出を共有する機会にもなります。
お下がりの五月人形を使う際の注意点
お下がりの五月人形を使うこと自体に問題はありませんが、いくつか注意すべきポイントがあります。
五月人形は子どもの厄を引き受ける役割を持つため、適切なケアをしながら大切に扱うことが大切です。
お祓いをしてから飾る
お下がりの五月人形を使う際に気になるのが「縁起」の問題です。
以前の持ち主の厄を引き継ぐことを気にする場合は、神社やお寺でお祓いを受けるのも一つの方法です。
特に、人形供養を行っている寺社では、お下がりの人形を清めるための祈祷をしてもらうことができます。
また、自宅で簡単にできる方法として、白い布の上に人形を置き、清酒や塩でお清めをする方法もあります。
気持ちを込めて丁寧にお手入れをすることで、新たな気持ちで飾ることができるでしょう。
傷みや汚れのチェック
長年保管されていた五月人形は、経年劣化が進んでいることがあります。
特に、以下の点をチェックしておくと安心です。
- 金属部分のサビや変色(兜や鎧の金具が劣化していないか)
- 布部分の汚れやほつれ(着物や装飾品が傷んでいないか)
- カビや虫食い(長期間の保管による影響)
もし劣化が激しい場合は、専門の修理業者に依頼するのも一つの方法です。
また、傷みがひどい場合は、お下がりではなく新しいものを購入することを検討してもよいでしょう。
新しく購入するものとの組み合わせ
お下がりの五月人形を使う場合でも、すべてをそのまま受け継ぐ必要はありません。
例えば、兜や鎧はお下がりを使い、新しい飾り台や屏風を購入して組み合わせることで、新しい雰囲気にすることができます。
また、現代の住宅事情を考慮し、コンパクトな飾り台やケースを用意するのもよいでしょう。
こうすることで、お下がりの五月人形を現代の生活スタイルに合わせて活用することができます。
どうしても気になる場合は?代替案を考えよう

お下がりの五月人形を使うことに抵抗がある場合は、無理に使用する必要はありません。
伝統を大切にしながらも、現代の考え方に合った方法を選ぶことが重要です。
ここでは、代替案として考えられる方法を紹介します。
リメイクして新しい形で使う
お下がりの五月人形をそのまま使うのではなく、一部をリメイクすることで、新しい形で受け継ぐことができます。
例えば、以下のような方法があります。
- 鎧や兜のみを飾る:本来の人形部分を省略し、鎧や兜だけをシンプルに飾ることで、新しいスタイルに変更できます。
- ガラスケースや台座を新調する:飾り方を変えることで、より現代の住宅に合った形にすることができます。
- 一部を記念品として残す:人形全体を使わず、兜や小物のみをインテリアとして飾るのも一つの方法です。
このように、伝統を大切にしながらも、自分たちのライフスタイルに合った形にアレンジすることができます。
処分や供養の方法
どうしてもお下がりの五月人形を使いたくない場合は、適切に処分することも考えましょう。
人形には持ち主の思いや厄を引き受ける役割があるため、一般のゴミとして捨てるのではなく、供養してから手放すのが理想的です。
人形供養を行っている寺社に依頼すると、丁寧に供養をしてもらえます。
特に、毎年人形供養祭を実施している神社やお寺もあるため、事前に確認するとよいでしょう。
また、地域によっては人形供養を受け付けている自治体もあります。
新しい五月人形の選び方
お下がりを使わずに新しい五月人形を購入する場合は、現代の住宅事情やライフスタイルに合ったものを選ぶのがおすすめです。
- コンパクトなもの:マンションやアパートなどの限られたスペースでも飾れる小型タイプが人気です。
- ケース入りのもの:ホコリがつきにくく、手入れがしやすいのが特徴です。
- デザイン性の高いもの:インテリアに馴染むモダンなデザインの五月人形も増えています。
このように、新しい五月人形を購入する場合でも、伝統を大切にしながら自分たちの生活スタイルに合ったものを選ぶことができます。
まとめ
五月人形のお下がりについては、昔から「一人に一つが基本」とされてきました。
その理由は、五月人形が子どもの厄を引き受ける役割を持つためです。
そのため、家族や地域の風習によっては、お下がりを避けたほうがよいと考える場合もあります。
しかし、現代ではお下がりを活用する家庭も増えており、「家族の絆を大切にしたい」「物を無駄にせず大切に使いたい」という考え方も広がっています。
実際に、リメイクして新しい形で受け継ぐケースや、お祓いをしてから使用するケースもあります。
最も大切なのは、家族全員が納得できる形で五月人形を迎えることです。
伝統や風習を尊重しながらも、自分たちの価値観や生活スタイルに合った方法を選ぶことが重要です。