春になると、鮮やかな黄色い花を咲かせるミモザとアカシアは、どちらも多くの人々の目を引きます。
しかし、園芸店や花屋さんでは、「ミモザ」という名前でアカシアが販売されていることがあり、このために混同されやすいのです。
ミモザとアカシアは、どちらもマメ科の植物で、見た目が非常に似ているため、一見すると同じ植物と思われがちです。
しかし、実際には異なる属に分類される全く別の植物です。
この混同が、多くの誤解を生む原因となっています。
この記事では、ミモザとアカシアの違いを明確にし、それぞれの特徴や育て方について詳しく解説します。
ミモザとは?
ミモザは、オジギソウ属に属する植物で、学名は「Mimosa pudica」です。
一般的には、触れると葉が閉じる特徴を持つことで知られています。
ミモザの花は小さく、ピンク色の球状の花を咲かせます。
日本では、ミモザという名前で呼ばれることが多いですが、実際にはオジギソウのことを指しています。
アカシアとは?
アカシアは、アカシア属に属する植物で、学名は「Acacia dealbata」です。
主にオーストラリア原産で、多くの品種があります。
日本でミモザとして販売されることが多いアカシアですが、実際には異なる植物です。
アカシアの花は黄色で、小さな球状の花が集まって咲きます。
アカシアの特徴と種類
アカシアの特徴として、銀色がかった葉を持つギンヨウアカシアや、ふさふさした花を咲かせるフサアカシアなどがあります。
ギンヨウアカシアは、シルバーリーフと呼ばれる美しい葉が特徴で、観賞用として人気があります。
一方、フサアカシアは、香りが強く、花の大きさも大きいのが特徴です。
その他にも、パールアカシアやサンカクバアカシアなど、多様な品種があります。
ミモザとアカシアの違い
葉の形状と特徴
ミモザとアカシアの葉の形状には、顕著な違いがあります。
ミモザの葉は、触れると閉じる性質があり、羽のように小さな葉がついています。
一方、アカシアの葉は、触れても閉じることはなく、種類によっては一重のものから複葉のものまでさまざまです。
ギンヨウアカシアの葉は銀色がかっており、フサアカシアの葉は柔らかくふさふさしています。
花の形状と開花時期
ミモザの花は小さく、ピンク色の球状の花を咲かせます。
開花時期は春から夏にかけてです。
一方、アカシアの花は黄色で、房状に咲きます。
ギンヨウアカシアは早春に花を咲かせ、フサアカシアは少し早い時期から咲き始めます。
花の形状と色の違いも、見分けるポイントとなります。
育て方と環境の違い
ミモザは、温暖な気候を好み、日当たりの良い場所で育てるのが適しています。
乾燥に強く、水やりは控えめで大丈夫です。
一方、アカシアも日当たりを好みますが、種類によっては寒さに強いものもあります。
ギンヨウアカシアは比較的育てやすく、鉢植えでも楽しめますが、フサアカシアは大きく成長するため、広いスペースが必要です。
育てる環境に合わせて適切な品種を選ぶことが大切です。
ミモザとアカシアの代表品種
ギンヨウアカシア
ギンヨウアカシアは、その美しい銀色がかった葉が特徴です。
英語では「シルバーリーフ」とも呼ばれ、庭木としても人気があります。
早春に鮮やかな黄色の花を咲かせ、木全体を黄色に染めるその姿は圧巻です。
切り花としてもよく用いられ、ドライフラワーや押し花としても楽しむことができます。
成長すると樹高は約5?10メートルに達し、庭のシンボルツリーとしても最適です。
フサアカシア
フサアカシアは、ギンヨウアカシアに比べて葉がふかふかしており、濃い緑色をしています。
花は大きく、香りが強いのが特徴です。
早春に咲く黄色い花は、花束やアレンジメントにぴったりです。
成長すると樹高は10?15メートルに達し、広い庭や公園などで育てられることが多いです。
オーストラリアでは「ワトル」という名前で親しまれています。
パールアカシア
パールアカシアは、ユーカリに似た丸い葉が特徴です。
その葉は真珠のような質感があり、「シンジュバアカシア」とも呼ばれます。
薄いレモン色の花を咲かせ、コンパクトなサイズなので、鉢植えでも楽しむことができます。
庭やバルコニーで育てやすく、手軽にアカシアの美しさを楽しめる品種です。
サンカクバアカシア
サンカクバアカシアは、その名の通り三角形の葉を持つユニークな品種です。
ナイフのような形状の葉は他のアカシアにはない特徴で、観賞用として人気があります。
黄色い花は甘い香りを放ち、遅咲きのため春の終わり頃に楽しむことができます。
成長すると低木として地面を広がるように育ち、地植えや鉢植えのどちらにも適しています。
ミモザとアカシアの見分け方
見分けるためのポイント
ミモザとアカシアを見分けるポイントはいくつかあります。
まず、ミモザの葉は触れると閉じる性質がありますが、アカシアの葉は触れても閉じません。
また、ミモザの花は小さくてピンク色、一方アカシアの花は黄色で房状に咲きます。
葉の形状も異なり、ミモザは羽のような小さな葉が連なり、アカシアは種類によって様々な形状を持つことが特徴です。
園芸店や花屋での選び方
園芸店や花屋でミモザとアカシアを選ぶ際には、葉や花の特徴をよく観察しましょう。
ミモザは「触れると葉が閉じる」ことを試してみると簡単に見分けがつきます。
アカシアの場合は、葉の銀色がかった光沢や、ふさふさした質感、黄色い花の形状を確認することで見分けが可能です。
また、品種名がラベルに記載されていることも多いので、購入前に確認すると安心です。
ミモザとアカシアの花言葉
ミモザの花言葉と由来
ミモザの花言葉は「感受性」「優雅」「秘密の愛」です。
この花言葉は、触れると葉が閉じるその敏感な性質から由来しています。
ミモザの花は小さくて可愛らしく、花束にするととても優雅な印象を与えます。
また、ミモザは愛の告白に使われることが多く、秘密の愛を象徴する花ともされています。
アカシアの花言葉と由来
アカシアの花言葉は「友情」「堅実」「精神的な美」です。
ギンヨウアカシアの銀色の葉と黄色い花は、堅実で信頼できるイメージを持ち、友情を象徴しています。
また、その美しい花姿から、精神的な美を表現する花言葉も持っています。
アカシアの花は香りが強く、花言葉の由来となるエピソードが多く語り継がれています。
まとめ
ミモザとアカシアは見た目が似ているため混同されがちですが、それぞれ異なる特徴と魅力を持っています。
ミモザは触れると葉が閉じる性質やピンク色の花が特徴的で、アカシアは銀色がかった葉と黄色い花が美しいです。