春の訪れとともに、青空を泳ぐ鯉のぼりを見かける季節になりました。
端午の節句の象徴として、多くの家庭で飾られる鯉のぼりですが、「いつまで飾るのが正しいのか」「何歳まで飾るべきなのか」と疑問に思う方も多いでしょう。
実は、鯉のぼりを飾る時期や年齢の目安には明確な決まりはなく、家庭や地域の風習によって異なります。
本記事では、飾り始めのタイミングや片付けるべき時期、子どもの年齢ごとの目安などを詳しく解説し、迷ったときの判断基準についても紹介します。
鯉のぼりはいつまで飾る?年齢や時期の目安を解説

鯉のぼりを飾る時期や片付けるタイミングは家庭によって異なります。
一般的な目安はありますが、厳格なルールはありません。
地域ごとの風習や家庭の考え方を踏まえたうえで、適切な時期を選ぶことが大切です。
鯉のぼりを飾り始めるタイミング
一般的には4月中旬~5月上旬
鯉のぼりを飾り始める時期は、一般的に4月中旬から5月上旬とされています。
多くの家庭では、端午の節句が近づく4月中旬から下旬にかけて準備を始めます。
特に、4月の後半になると、各地で鯉のぼりを見かける機会が増えてきます。
天候の影響も考慮し、晴れの日が多いこの時期に飾る家庭が多いのが特徴です。
また、屋外で飾る場合は、強風や雨の日を避けるため、天気予報を確認しながら設置するのが良いでしょう。
地域や家庭によって異なる飾り始めの風習
地域によっては、鯉のぼりを飾る時期が異なることがあります。
関東地方では4月中旬から飾り始める家庭が多いのに対し、寒冷地である東北や北海道では、気温が上がる4月下旬から5月初旬にかけて飾ることが一般的です。
一方、温暖な気候の九州や沖縄では、3月下旬から飾る家庭もあります。
家庭の事情によっても違いがあり、屋外に十分なスペースがない場合は、ゴールデンウィーク直前に室内用の小型の鯉のぼりを飾る家庭も増えています。
このように、気候や地域の伝統に応じて適切な時期を選ぶことが大切です。
何歳まで飾るのが一般的?年齢の目安
小学校卒業まで(12歳)が一般的?
鯉のぼりを飾る年齢の目安には、明確な決まりはありませんが、小学校卒業(12歳)まで飾る家庭が多い傾向にあります。
これは、小学生のうちは端午の節句の意義を理解しやすく、親子で行事を楽しむ機会が多いためです。
また、祖父母から贈られた鯉のぼりを大切にしたいという思いから、小学校を卒業するまで飾る家庭も少なくありません。
ただし、子どもが成長するにつれて「恥ずかしい」と感じることもあるため、本人の気持ちを尊重しながら決めるのが望ましいでしょう。
「7歳」「10歳」「中学生になったら」など諸説あり
7歳や10歳を節目として鯉のぼりを片付ける家庭もあります。
7歳で片付ける理由としては、七五三の節目と関連づける考え方があります。
10歳の場合は、二分の一成人式を迎えたことで一区切りとするケースが見られます。
さらに、中学生になると、学校生活が忙しくなり、端午の節句を意識しなくなるため、このタイミングで飾るのをやめる家庭もあります。
このように、飾る期間は家庭ごとに異なり、伝統を重んじるか、子どもの意向を優先するかによって判断が分かれるのが特徴です。
迷ったときの判断基準
子どもの「もう飾らなくていい」の声が目安
鯉のぼりをいつまで飾るか迷ったときは、子どもの気持ちを優先するのがよいでしょう。
成長とともに、鯉のぼりに対する関心が薄れることもあります。
特に、小学校高学年になると、飾らなくていいと感じる子どもが増えてきます。
親としては毎年の恒例行事として飾り続けたい気持ちもあるかもしれませんが、子ども自身が恥ずかしいと感じたり、興味を示さなくなった場合は、片付けを検討するタイミングと考えられます。
地域や家族の意向を尊重する大切さ
飾る時期は、地域によって一定の風習が存在します。
そのため、周囲の家庭と足並みをそろえることで、違和感なく伝統行事を楽しめる場合もあります。
また、家族の意向を尊重することも重要です。
特に祖父母が鯉のぼりを贈ってくれた場合、「せっかくの贈り物だから長く飾りたい」と考えることもあります。
そのため、家族全員で話し合い、納得のいく形で飾る期間を決めることが理想的です。
小学校高学年でも飾る?
小学校高学年(11~12歳)になっても、鯉のぼりを飾る家庭は少なくありません。
例えば、ある家庭では「子どもが小さい頃から続けている行事だから、今でも変わらずに飾っている」というケースもあります。
また、祖父母から贈られた思い出の品として、大切に飾り続ける家庭もあります。
このように、子どもの成長や家庭の方針に応じて、柔軟に判断することが大切です。
鯉のぼりを片付ける時期は?理由とタイミング

鯉のぼりを片付けるタイミングには、地域や家庭ごとの違いがあります。
一般的には端午の節句が終わる5月5日以降に片付ける家庭が多いですが、旧暦の端午の節句まで飾る地域もあります。
また、梅雨入り前に片付けることで、湿気やカビから守る工夫をする家庭も少なくありません。
それぞれの事情に応じた適切なタイミングで片付けることが大切です。
5月5日以降が一般的
鯉のぼりは、端午の節句が終わる5月5日を一区切りとして片付ける家庭が多いです。
伝統的に端午の節句は男の子の健やかな成長を願う行事であり、その祝祭が終わると同時に飾りを片付ける習慣が根付いています。
また、鯉のぼりを長期間飾り続けることで、風雨や紫外線による劣化が進むため、適切な時期に片付けることで長持ちさせることができます。
ただし、必ず5月5日に片付けなければならないという決まりはないため、天候や家庭の事情に応じて柔軟に対応することが望ましいでしょう。
旧暦の端午の節句まで飾る地域も
旧暦の端午の節句(6月頃)まで鯉のぼりを飾る地域もあります。
特に、伝統を重んじる家庭では、旧暦に合わせた行事を大切にする傾向があります。
旧暦での端午の節句は、現在のカレンダーより1か月ほど遅れるため、梅雨入り前の時期まで飾ることが一般的です。
また、一部の地域では、農作業のスケジュールや地域の風習に基づいて片付けるタイミングが決められていることもあります。
そのため、周囲の慣習に合わせつつ、家庭ごとの事情を考慮することが大切です。
梅雨入り前に片付ける家庭も多い
梅雨の時期になると湿気が増え、鯉のぼりの布地にカビが生えたり、ポールの金具が錆びたりするリスクが高まります。
そのため、5月下旬から6月上旬の梅雨入り前に片付ける家庭も多く見られます。
特に、屋外で飾っている場合は、雨に濡れたまま放置すると色あせや傷みが進みやすいため、晴れた日にしっかり乾かしてから収納するのが理想的です。
長く大切に使うためにも、適切な時期を見極めて片付けるようにしましょう。
鯉のぼりを片付ける際に気をつけたい保管方法

鯉のぼりを片付ける前に、汚れをしっかり落とすことが重要です。
屋外で飾っていた場合、風や雨の影響でホコリや泥が付着していることがあります。
汚れを落として完全に乾かす
軽い汚れであれば、柔らかい布で拭き取るだけで十分ですが、頑固な汚れがある場合は中性洗剤を薄めたぬるま湯で優しく洗いましょう。
その後、風通しの良い日陰でしっかり乾燥させることが大切です。
湿ったまま収納すると、カビや臭いの原因になるため、十分に乾かしてから片付けるようにしましょう。
畳んで湿気の少ない場所に保管
乾燥が終わった鯉のぼりは、できるだけシワを伸ばして丁寧に畳み、湿気の少ない場所に保管することが大切です。
押し入れやクローゼットに収納する場合は、除湿剤を入れて湿気対策をするとより安心です。
また、収納ケースに入れる際は、通気性の良い布や和紙で包むことで、湿気によるダメージを防ぐことができます。
特に、ナイロンやポリエステル製の鯉のぼりは、折り目がつきやすいため、なるべく丸めて収納するのが理想的です。
防虫剤を入れてカビ対策をする
保管時には、防虫剤を使用してカビや虫食いの対策を行いましょう。
ただし、防虫剤が直接鯉のぼりに触れると、生地が傷む可能性があるため、小袋に入れてケースの隅に置くのが良い方法です。
また、防虫剤だけでなく、乾燥剤や除湿剤を併用することで、湿気を効果的に防ぐことができます。
特に、湿気がこもりやすい場所に収納する場合は、定期的に換気を行い、カビの発生を防ぐ工夫をすると良いでしょう。
まとめ
鯉のぼりを飾る時期や片付けるタイミングには、明確な決まりはありませんが、一般的には4月中旬から5月5日まで飾る家庭が多く見られます。
地域の風習や家庭ごとの事情によって異なるため、適切な時期を選ぶことが重要です。
片付けるタイミングとしては、5月5日以降が一般的ですが、旧暦の端午の節句まで飾る地域や、梅雨入り前に収納する家庭もあります。