鏡餅の上に乗っている果物が「みかん」ではなく「橙(だいだい)」だということをご存じでしたか?
この記事では、鏡餅になぜ橙が使われるのか、その意味や縁起について詳しく解説しています。
読み進めることで、正月飾りとしての鏡餅の奥深い意味や、日本の文化に根付く縁起担ぎの習慣がわかる内容となっています。
鏡餅の上に乗る果物は橙(だいだい)
一見、鏡餅の上に乗っている果物はみかんのように見えますが、実は「橙(だいだい)」という柑橘類が使われています。
見た目は似ているものの、橙はみかんとは異なる果物で、特に縁起物としての意味が深いのが特徴です。
橙の由来と日本での伝来
橙はインドから中国を経て日本に伝わった果物です。
その名前の由来は、「代々」続く家族の繁栄を願う意味が込められており、特に新年を迎える際に縁起物として扱われるようになりました。
橙の鮮やかな色合いと豊かな香りは、日本の新年に欠かせない要素となっています。
橙の縁起とその象徴する意味
橙は、その木に長く実をつけ続ける特徴から、家族が何世代にもわたって繁栄し、長寿を保つことを願う象徴とされています。
このことから、橙は単なる果物としてだけでなく、家の繁栄を祈る大切な存在として鏡餅に飾られるようになったのです。
みかんではなく橙を飾る理由
橙は、家系の繁栄や長寿を願うために、鏡餅の上に飾られます。
その木に実が長く残るという性質は、まさに家族が代々続くことを象徴しており、正月飾りとして最適な果物といえます。
温州みかんは食べやすく、甘みが強いことで知られていますが、橙はその縁起の良さが重視されています。
橙の実は年をまたいで枝に残り続け、縁起物としての意味が強調される一方で、みかんは主に味や実用性が評価される果物です。
このため、正月には橙が選ばれるのです。
鏡餅とは何か?その歴史と意味
鏡餅の起源と日本文化における役割
鏡餅は、古くから日本で正月に神様へ供える大切なお供え物とされてきました。
もともとは、家の中に神様を迎え入れるためのシンボルとして飾られ、丸い形が神聖なものとされていたのです。
鏡餅の「鏡」は、古代の銅鏡を意味し、神様が宿ると信じられていました。
この鏡餅は、年神様をお迎えするためのもの。
家族の健康や繁栄を祈るために飾られる風習が、現在まで続いています。
鏡餅を飾る理由
鏡餅を飾る理由には、家族の健康と繁栄を願う意味が込められています。
鏡餅の丸い形は、家族の円満を象徴し、重ねて飾ることは「福を重ねる」という願いが込められています。
また、鏡餅を飾ることで、家族全員が新しい年を無事に迎えられるよう、神様に感謝の気持ちを表します。
鏡餅を飾る場所と正しい方法
鏡餅をどこに飾るべきか?
鏡餅を飾る場所は、年神様を迎えるために重要です。
基本的には家の中で最も神聖な場所、つまり「神棚」や「床の間」に飾るのが伝統的です。
しかし、最近では、マンション住まいで神棚がない家庭も増えてきています。
その場合は、家の中心であるリビングや玄関など、家族全員が集まる場所に飾ることが一般的になっています。
また、キッチンや台所、火の神様が宿るとされる場所に供えるのも良いとされています。
神棚や家庭の特定の場所に飾る理由
鏡餅を神棚や床の間に飾るのは、神様が宿る場所として尊重されているからです。
神棚は家の守り神を祀る場所であり、ここに鏡餅を供えることで年神様に感謝と祈りを捧げます。
床の間も、伝統的に重要な客人を迎える場所とされ、神様もここに降臨すると考えられているため、鏡餅を飾るのに適しています。
鏡餅と橙(だいだい)を正しく飾るためのポイント
正月に向けての準備と飾り方
正月を迎えるための準備として、12月末頃には鏡餅を準備し、31日を避けて飾るのが良いとされています。
31日に飾ることは「一夜飾り」と呼ばれ、縁起が悪いとされています。
鏡餅は大小二段の餅を重ね、その上にだいだいを飾ります。
飾る際には、シンプルでありながらも神聖な気持ちを持って行うことが大切です。
昔からの風習を守りながら現代風にアレンジする方法
現代では、昔ながらの風習を大切にしながらも、住宅事情や生活スタイルに合わせて飾り方を工夫することが増えています。
例えば、コンパクトな鏡餅セットや、長持ちするパック入りの餅を使用する家庭も多いです。
また、シンプルなデザインの台座や、インテリアに合わせた色味の小物を使うなど、現代風のアレンジを加えることで、伝統と現代の融合を楽しむことができます。
まとめ
正月に飾る鏡餅とだいだいは、家族の健康と繁栄を願う大切な縁起物です。
伝統的な飾り方を守りつつも、現代の生活に合わせたアレンジを加えることで、より身近に正月飾りを楽しむことができます。
家族全員が新年を迎えられることに感謝し、鏡餅を通して新たな一年に向けた幸せを祈ることが、日本の大切な文化の一部であると再認識できるでしょう。